No.1651 2006.4.18.
発行 泉北教職員組合

学力調査に便乗した
「同和調査」を断念せよ

個人情報保護審査会「結論持ち越し」

 大阪府が、府下全小・中学校を対象とした「学力実態調査」を利用して、「同和実態調査」を行うために、対象校(信太小・信太中・幸小・富秋中)の児童・生徒の「住所データ」の提供を和泉市に求めている問題の続報です。
 4月3日付の「泉北教育」で、諮問を受けた「和泉市個人情報保護審査会」(大学法学部教授2名、弁護士・市人権擁護委員会長・福祉施設長の5名で構成)が、「継続審議」となったことをお知らせしましたが、4月6日に再開された会議でも、委員の了承が得られず、「結論持ち越し」となりました。
 今回新たに問題とされたのは、前回(03年度)一部抽出で行われた「学力実態調査」で、同様の「同和実態調査」が委員会に諮ることもなく秘密裏に行われていたことです。
 今回も和泉市教委は、保護者説明や本人同意の手続きを踏まずに、データ提供を行うことを表明していますが、このような調査は、ただちに断念すべきであると、改めて主張します。

東京都では「学校ランク」付に悪用

 「学力実態調査」について、泉北教組は市教委に、「結果を本来の目的(学力の傾向を調べて学習指導の改善に役立てる)以外に使用しないこと」を求めてきました。
 同様の調査を悉皆で実施している東京都では、都のホームページに市区町村別の試験結果がランク順に並べられ、荒川区などでは区のホームページに学校ごとの結果が掲載されています。(右図参照)
 そして、「学校選択制度」のもとで、ますます学校間の格差が広がっていきます。
(以下次号以降に)

和泉市での経過と予定
◇2月21日:市教委が審査会に諮問
 和泉市教育委員会が、「学力実態調査で、対象校(旧『同推校』4校)の児童・生徒の住所データを府教委へ提出すること」について、和泉市個人情報保護審査会に意見を求める。
◇3月17日:市教委交渉
 泉北教組も加わる「和泉市の同和行政の終結を求める会」が、「学力実態調査を利用した同和実態調査の中止」を求めて、和泉市教委と交渉。
◇3月27日:審査会開催「継続審議」
 市教委の諮問を受けて、和泉市個人情報保護審査会を開催。泉北教組代表も傍聴した前半の公開審査では、委員から多くの疑問が呈される。「保護者への説明や本人同意を得ないことの不合理性」など。後半の非公開の審査で「継続審議」と決定。
◇3月30日:市教委交渉
 「終結を求める会」が和泉市教委と交渉。
 ※人事異動で、担当の人権教育課長が交替。
◇4月6日:審査会「結論持ち越し」
 審査会で、またも疑問続出。「今回の調査で審査会に審議依頼しながら、前回の調査(03年度)で審査会に諮らなかったこと」など。今回も「結論持ち越し」となる。
◇4月19日:市教委交渉(予定)
 「終結を求める会」が和泉市教委と交渉して、今後の対応をただす予定。
◇4月24日〜:学力調査実施(予定)

東京都荒川区のホームページより



教育基本法改悪案「国会提出に反対」 学者・文化人19氏が声明
〈緊急声明〉与党が密室で協議した 教育基本法「改正」案の上程に反対する
 4月12日、与党の「教育基本法改正検討会」は、自公の間で長く対立してきた「愛国心の表記」について、合意に達したと報じられました。それは、「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛する……態度を養う」というものです。与党は、この合意をもとに法案化し、今国会での上程、成立を目指すと言われます。
 教育基本法は、戦後、日本国憲法の精神に沿い、平和的な社会、国家を形成する主権者を育てるために、教育の大原則を定めた法律です。教育刷新委員会の学識経験者たちが議論し、新憲法下の国会で作られました。いま与党で合意されたのは、この準憲法的な性格をもつ基本法を、「改正」と言いながら全面的に書き変えてしまおうとするものです。もともと法律になじまない「愛国心」や道徳律などを書き込み、戦前と同様、行政が国民の心に介入できるようになる恐れがたいへん強い「改正」案です。
 教育は、一人一人の国民にとって、直接かかわりのある重大な問題であると同時に、これからの日本社会を担っていく子どもたちの、知力、学力、体力、生きていく力、そして心のあり方にもかかわり、また社会全体を変えてしまう可能性を持っています。こうした重要な問題を、与党は一部議員だけの密室の協議で行い、内容も議論の過程も、一切国民に知らせませんでした。「百年の計」といわれる教育の根本原則を、二つの政党の「寄木細工」でつくることなどありうるでしょうか。このまま国会に上程し、数の力で成立を押し通すなど、絶対に許されないことです。
 与党検討会の秘密主義は、会議の中で配布された資料や議論の内容をめぐるメモまで、会議終了後にすべて回収するという常軌を逸したものです。与党に持ち帰って合意を取り付けるといっても、すべて口頭という無責任さです。このままではすべての国民はもとより、ほとんどの与党議員ですら、教育基本法をめぐる議論から排除され、結論だけを押し付けられることになります。
 私たちは、こうした密室協議で生まれた法案の上程に反対します。教育の議論は拙速を避け、様ざまな問題を勘案しながら、国民的な議論と合意をとりながらなされるべきだと考えます。

2006年4月14日
喜多明人(早稲田大学教授)
小森陽一(東京大学教授)
石井小夜子(弁護士)
大内裕和(松山大学助教授)
尾木直樹(教育評論家・法政大学教授)
加藤周一(作家)
桂敬一(立正大学講師)
北沢洋子(国際問題評論家)
佐藤学(東京大学教授)
杉田敦(法政大学教授)
俵義文(子どもと教科書ネット21事務局長)
辻井喬(作家)
暉峻淑子(埼玉大学名誉教授)
西原博史(早稲田大学教授)
藤田英典(国際基督教大学教授)
間宮陽介(京都大学教授)
最上敏樹(国際基督教大学教授)
毛利子来(小児科医)
山口二郎(北海道大学教授)



「評価・育成」システム撤回せよ!
4・14大教組決起集会


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