
憲法・教育基本法を
全力で守ろう、そして、生かそう

十月六日(金)和泉コミセンにおいて、中瀬弘氏(大教組中央執行委員)を講師に迎え、泉北教組教育基本法学習会が行われました。教育基本法改悪反対の運動をさらに強めていくため、まずはみんなで教育基本法について学習を深めようと開かれました。
【はじめに】
安倍内閣が発足し、臨時国会での所信表明演説では、「教育の目的は志ある国民を育て、品格ある国家、社会をつくること・・・(中略)・・・まず、教育基本法案の早期成立を期します。」と述べています。また、内閣に「教育再生会議」を発足させ、学校選択制、学校評価、バウチャー制度(子どものいる家庭がバウチャーと呼ばれる利用券を受け取り、学区や公立私立を問わず通いたい学校を選択し、利用券を提出する。利用券の枚数に応じて、学校が行政から運営資金を得るという仕組み。)を導入し、財界の意向を丸抱えし、学校に競争原理が持ち込まれると危惧されています。
【教基法の理念と理想】
教育基本法には前文があります。前文のある法律は大変めずらしく、それだけ明確に理念をかかげる必要のある特別な法律であるということです。一九四七年三月十九日当時の高橋文部大臣は、貴族院本会議において「この法律は教育の理念を宣言する意味で教育宣言である・・・(中略)・・・普通の法律にはむしろ異例であります所の、前文を付した次第でございます。」と述べています。
教育基本法は、戦後アメリカに強要されて作成されたように言われることもありますが、そうではなく、田中耕太郎という人物が中心となって自らが作り上げていった法律なのです。戦前の軍国主義教育、軍人に支配されていた教育を強く反省し、教育権の独立をポイントに作成されたそうです。
ところが、教育基本法は生まれたときから保守政党から敵視され、自民党は絶えず改悪をねらっていました。自民党の企てと絶えず対立していたのは教育基本法だということです。
【改悪法案のねらいと背景】
教育基本法のどこをどのようにかえようとしているのでしょうか。まず、前文から「平和」という言葉が消えています。「真理と平和を希求する人間の育成」から「真理と正義を希求し…」というようにブッシュの好きな「正義」という言葉にかわっています。また、新しく「教育の目標」をおき、その中に「国を愛する態度」を入れ込んでいます。第十条にある「国民全体に対して直接に責任を負って行われるべき」を取り払い「国は・・・教育に関する施策を実施しなければならない」としており、教育権の独立を崩そうとする内容となっています。「教育行政は・・・必要な諸条件の整備確立を目標・・・」が消え、権力の抑制条項もなくなっています。
改悪法案のねらいの一つ目は、「戦争する国」の人づくりです。二つ目は、教育を国家によって支配しようとすることです。この背景には、日本を海外で戦争する国にしようとする動きがあります。政府が思うままに支配できる仕組みを作り上げるため、教育基本法を変えてしまおうというわけです。
【守ろう、生かそう】
この教育基本法案を廃案にするための闘いには、必ず勝算があると信じています。各界各層の世論の広がりで国会を包囲し、日本の民主主義と子どもたちのために闘おうではありませんか。
大阪弁護士会も反対
教育基本法改悪
今国会で最大の争点となっている教育基本法の「改正」に、大阪弁護士会が反対の意見書をまとめました。
愛国心の押しつけや、教育に市場原理や過度の競争を持ちこみ、戦後の民主教育を破壊するものとして改正に反対してきた、教職員組合を初めとする民主団体を大変勇気づけるものでした。
今回は毎日新聞一〇月六日付けの記事を転載します。
教育基本法改正:
大阪弁護士会、改正案に反対の意見書
大阪弁護士会(小寺一矢会長)は5日までに、臨時国会で審議される教育基本法改正案に反対する意見書をまとめた。同改正案は「わが国と郷土を愛する態度を養う」ことを教育の目標に掲げ、安倍晋三首相が最重要法案と位置づけている。
意見書は同改正案について「多様な解釈を排除し、特定の解釈を強制する恐れがあり、子どもの精神的自由が侵害される」などとして反対を表明。徹底した国民的議論を行うよう求めている。同弁護士会は意見書を首相や文部科学相、衆参両院議長らに送付する。
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現行教育基本法 (前文) われらは、さきに、日本国憲法を確定し、民主的で文化的な国家を建設して、世界の平和と人類の福祉に貢献しようとする決意を示した。この理想の実現は、根本において教育の力にまつべきものである。 われらは、個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成を期するとともに、普遍的にしてしかも個性ゆたかな文化の創造をめざす教育を普及徹底しなければならない。 ここに、日本国憲法の精神に則り、教育の目的を明示して、新しい日本の教育の基本を確立するため、この法律を制定する。 (教育行政) 第10条 教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負って行われるべきものである。 2 教育行政は、この自覚のもとに、教育の目的を遂行するに必要な諸条件の整備確立を目標として行われなければならない。 改正案 (前文) 我々日本国民は、たゆまぬ努力によって築いてきた民主的で文化的な国家を更に発展させるとともに、世界の平和と人類の福祉の向上に貢献することを願うものである。 我々は、この理想を実現するため、個人の尊厳を重んじ、真理と正義を希求し、公共の精神を尊び、豊かな人間性と創造性を備えた人間の育成を期するとともに、伝統を継承し、新しい文化の創造を目指す教育を推進する。 ここに、我々は、日本国憲法の精神にのっとり、我が国の未来を切り拓(ひら)く教育の基本を確立し、その振興を図るため、この法律を制定する。 第3章 教育行政 第16条(教育行政) @ 教育は、不当な支配に服することなく、この法律及び他の法律の定めるところにより行われるべきものであり、教育行政は、国と地方公共団体との適切な役割分担及び相互の協力の下、公正かつ適正に行われなければならない。 A 国は、全国的な教育の機会均等と教育水準の維持向上を図るため、教育に関する施策を総合的に策定し、実施しなければならない。 B 地方公共団体は、その地域における教育の振興を図るため、その実情に応じた教育に関する施策を策定し、実施しなければならない。 C 国及び地方公共団体は、教育が円滑かつ継続的に実施されるよう、必要な財政上の措置を講じなければならない。 |