
「全国一斉学力調査」は氏名記入形式
受験産業に個人情報を提供することに
文部科学省は、07年4月24日(火)に、全国のすべての小学6年生、中学3年生を対象に「全国学力・学習状況調査」(以下、全国一斉学力テスト)を実施しようとしています。この全国一斉学力テストについての実施マニュアル(以下マニュアル)が1月末に各教育委員会や学校に送付されていますが、ここには、重大な問題点があります。
氏名記入させ、個人情報入手
私たちは、いっそう子どもたちを競争させ、子どもと学校の序列化をすすめる全国一斉学力テストにはもとより反対であり、これまでも地教委に対して、不参加の申し入れをおこなってきたところです。加えてマニュアルでは、教科に関する調査の解答用紙および児童生徒に対する質問紙調査の回答用紙に、学校名、男女、組、出席番号、名前を書かせることになっています。学習状況調査と称して行なわれる質問紙調査は、各家庭における趣味や娯楽なども含む、私生活全般を問うものとなっており、記名して実施すれば子どもと各家庭のプライバシーを侵害するものとなります。そしてこの解答用紙および回答用紙は、そのまま梱包して「文部科学省が委託する民間機関」すなわち小学校は、(株)ベネッセコーポレーション、中学校は(株)NTTデータに送付することになっています。
採点・集計・分析受験産業に丸投げ
ベネッセは「進研ゼミ」を事業の一つにした受験産業です。また、NTTデータは旺文社と一緒になってテスト開発を行っている企業と連携している会社で、度々個人情報流出事件を起こしています。
両社は調査結果の採点、集計から分析にいたるまで、すべての作業を委託されており、各個人の分析データをはじめ、日本全国の小学校6年生、中学校3年生の個人情報が、すべて民間の教育産業である両社とその委託をおこなった文部科学省に握られることになります。これらは学力テストを利用して、国民の私生活全般を、国家と特定企業がにぎり、政策遂行や利潤追求にどのようにでも使えるにしようとするものです。
生徒への質問用紙には「一週間に何日学習塾に通っているか」などの質問項目もあります。ということは、要するに、進研ゼミや旺文社は“濡れ手で粟”で全国の小学6年生と中学3年生が塾に通っているかどうかのデータが入手できる、というわけです。
国家による個人情報保護法違反
さらに、こうした調査は、国家が国民の私生活に介入してその自由を奪い、直接支配するものであり、憲法の国民主権原則、そして第13条の個人の尊重・生命・自由・幸福追求の権利、第19条の思想及び良心の自由に反します。さらに一方的に押しつけることは、個人情報保護法違反にもなります。
市町の判断・学校判断で不参加決定OK
このテストへの参加が任意であることは、文科省も認めており、現に愛知県犬山市は不参加を決定しています。
泉北教組は、以下の2点を、和泉市・高石市・忠岡町の3地教委と、44校の校長に対して申し入れ、地教委には交渉を求めています。
@全国一斉学力テストに参加しないこと。
A文部科学省と特定の民間企業が、全国の子どもの学力データと国民の私生活にかかわる個人情報をすべて把握するという実施方法を抜本的に見直すよう関係機関に具申すること。



「配膳時間の変更などは校長の指示のもと行う」
高石市学校給食民営化の説明会
今年の4月から、高石小、高陽小の2校で給食調理業務の民間委託が始まります。それに先だって、2月14日に委託の仕様書の内容を中心に市教委から説明がありました。
まず、市教委から、委託については、
@「1回300食以上または1日750食以上を提供する調理施設」(以下「特定給食施設」という。)での調理業務を5年以上有し、また、特定給食施設での調理業務実績があること。
A業務に従事する調理員については、管理栄養士又は栄養士の資格を取得後、特定給食施設に1年以上従事した者及び調理師の資格を取得後、特定給食施設に3年以上従事した者を各1名常駐すること。本市配置基準に定める上記の有資格者以外の調理員については、原則として栄養士又は調理員の免許を有する者を配置すること。
Bアレルギー等への対応については、個別対応食等への対応能力を有していること。
など、18項目の基本条件を満たした業者の中から入札で決定したという報告があり、その他、業務内容等についても仕様書に基づき説明がありました。
泉北教組からの主な質問と、市教委の回答は次の通りです。
Q1.市の栄養士の勤務時間は8:15〜2:45(週1回のみ3:15)とあるが、食器洗浄の確認など、その時間でできるのか。
A.食器洗浄の確認が必要な時は、府費の栄養士にしてもらうこともできる。
Q2.民間の調理員の勤務時間は市が決めるのか
A.委託した仕事をすべて遂行することが、契約の条件なので、物資の受け取りから最終清掃を行い、当日の業務報告が勤務時間となる。
Q3.業者の入札は毎年行うのか。
A.今回は初めてなので、検証という意味もあり一年契約である。従って、来年は再度入札を行うことになる。業績が認められれば、二年後は複数年契約もありうる。
Q4.給食の配膳の時間は、参観日などの学校行事である学年だけ変更してほしいといったことがあるが、対応できるのか。
A.できる。「校長の指示に従うこと」と仕様書にも書いてある。
Q5.業者の調理員で、本市の指名した者が献立作成委員会と物資購入委員会に参加することとされているが、業務内容の逸脱ではないか。
A.食材のことなどを予め知っておいてほしいので参加してもらうが、正式なメンバーではないので、投票も発言もできない。献立作成や物資購入は、今後も市の責任で行っていくつもりだ。
2校とも3月から業者が入り引き継ぎが始まり、春休みには、業者による試食会を行う予定になっています。私たちの望む、安全でおいしい給食が維持できるのか、注意深く見守る必要があります。
泉北教組臨時大会
泉北教組臨時大会が開催され、左記の役員・執行委員が選出されました。
大会参加者の発言の要旨を紹介します。
@子どもたちの置かれた状況は大変しんどい。子どもたち一人ひとりに向き合うことを大切に考えている同僚に、組合加入を呼びかけよう。
A教科指導でも生徒会指導でも一人ではできない。周りの先生に「手伝ってください」と言えなくなるような「評価・育成システム」は絶対におかしい。
B問題を抱えた子や悩む保護者に一人の教師が対応するのは無理がある。「システム」は教育全体を良くしてことに逆行している。
C泉北教組内に栄養職員部を立ち上げ、和泉市教委と交渉を行った。今後も、その専門性を生かして取り組んでいきたい。
D38年間、様々なことがあったが、組合の学習会で学び、組合が勝ち取ってきた権利に守られてきた。若い人にもこれを伝えてください。
E16億円かけて「学力テスト」が行われようとしている。多くの問題があるので、各職場で論議していただき、保護者にも訴えていただきたい。
